中国では仕事でスーツを着ない人も珍しくありませんが、私を含め日系企業にお勤めの方は、スーツかジャケパンでの勤務が多いかと思います。

そんな中で、私が中国生活でずっと探していたのが、ズボンプレッサーです。
（今風に言えば「パンツプレッサー」かもしれませんが、以下、「ズボンプレッサー」で統一します。）
使ったことがない方も多いかと思いますが、パンツ中央の折り目（裤线/crease/クリース）をハッキリと付けるための道具です。

私はこの折り目がハッキリしていないと落ち着かない一方、毎日アイロンをかけるのは性分的に無理なので、ボタン一つで済むズボンプレッサーは大変重宝しています。
しかし、ここ中国で探そうにも、なかなか見付かりません。

そこで本記事では、中国で買う場合と、日本から買って来る場合との比較を中心に、記していきます。
なお、結論としては、中国製のをタオバオで買うのが、お得だと思います。
→中国国内では、ズボンプレッサーは入手不可になっていました（2024/1/21追記）。

1. まずは日本語で検索してみる...が

まずは、中国在住日本人の先例を探すため、「中国 ズボンプレッサー」と日本語で検索してみました。
しかし、まともに引っ掛かったのは、中国在住日本人向けの通販サイト1件のみ。

楽をするなら、そこで買えばいいかと思うのですが、ちょっと待て。
値段がクレイジー。

同サイトでの価格は1,480元＝23,680円（1元＝16円の場合）なのですが、基本機能しかなさそうなプレッサーが、こんなに高いはずはありません。
中国製でもっと安いのあるだろ！と思うわけです。

2. タオバオで探す

そこで、中国製のプレッサーを探すべく、「ズボンプレッサー」の中国語訳を調べるのですが、Weblio辞書で出て来た「裤线热压机」という訳語では、商品が一切見付かりません。

その後、紆余曲折を経て「烫裤机」という訳語を探り当てた結果、何とか淘宝（タオバオ）で見付かりました。
上の日本人向けサイトと同じ商品なのですが、約500元安いです。

￥AbuabKbtepL￥ ←スマホでご覧の方は、￥～￥をコピーした後、タオバオのアプリを開いてください。

ただ、中国ではズボンプレッサーがあまり使われていないためか、見付かるのはこの商品だけでした。
990元＝15,840円であれば、個人的にはギリギリ許せる値段です。

3. 日本で買って、中国に持って来る

実は今回、中国贔屓の私にしては珍しく、こちらの方法を選びました。
理由は簡単、同レベルの商品なら日本製の方が安いからです。
ちなみに私が買ったのは東芝の立て置き型「HIP‐T36‐S」で、値段は10,540円でした。

以前日本にいた頃もこれを使っていたのですが、中国への引越し時に処分していたので、買い直しです。
詳しい性能等は他のサイトに譲りますが、基本的な機能を備えたプレッサーです。

と、「中国で買うより得したぜ」と得意になって、日本でプレッサーを買った私でしたが
この後、まさかどデカいコストを払う羽目になるとは、思ってもみませんでした。

4. まさかの「持ち込みコスト」がデカ過ぎた

国際郵便等で新品の家電を送ると、高確率で税関で止められて課税されるので、航空便にハンドキャリーで持ち込みます。
事前にプレッサーの重量（8.5kg）を東芝のHPで見て、「無料で受託手荷物にできるな」と油断していましたが、
寸法がオーバーでした。

私が乗ったのは中国国際航空の便でしたが、3辺の合計が158cm以内に収まっていなければ、追加料金発生です。
（ANAも中国国際航空と同じ。JALは203cmまでOKのようです。いずれも2019年1月現在）
私のズボンプレッサーは176cmで、オーバーサイズの超過手荷物料金は、何と980元！！
つまりは、日本製プレッサーの本体価格より高く、またタオバオで買えるプレッサーとほぼ同じ値段。
結果としては、大損でした。

ちなみに、上の写真をご覧いただけば分かるとおり、持ち運びも不便です。
大変だからと言ってタクシー等を利用すると、コストは更に膨れます。

また、日本のズボンプレッサーは電圧100V用なので、変圧器代も別途かかります。
「表面的な安さに踊らされると、結果的に損をする」という好例になってしまいました。

5. 結論：ズボンプレッサーは、中国で買った方が安上がり

ズボンプレッサーの購入について、以上をまとめると、

• 中国国内（タオバオ）で買えるのは990元＝15,840円
• 日本から持って来ると、本体料金（≧10,000円）＋超過手荷物料金（≧15,000円）＋その他コスト

なので、中国でズボンプレッサーを使うなら、総合では中国で国産品を買うのが安いということになります。
JAL便なら、日本から持って来ても安く済む可能性はありますが、商品毎の包装ダンボールの大きさや、フライト運賃が逆に高く付く可能性は、全くの未知数です。
したがって、「どうしても日本製で、かつ高性能のプレッサーを使いたい」というのでなければ、中国国内で買う方が安上がりと言えそうです。