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私を含め、中国在住でも日系企業に勤めている日本人は、やや堅めの服装で仕事をしている方が多かろうと思います。

しかし、私が中国に引っ越して困ったのは、スーツやシャツをどこで買うかということ。日本と違い、納得いくデザインの服がどこで安く買えるか、皆目見当が付きませんでした。

正直言って、店探しは相当難儀。毎週末のように街に繰り出し、様々な場所の店で服を見て回った結果、私としては
外国人向けローカル店でオーダースーツを作るのが一番、という結論に至りました。

というわけで、今回は中国生活での仕事着調達について、ローカル店でのオーダーを中心にお話ししたいと思います。なお、私が男性ということもあり、メンズ服寄りの内容になります。あらかじめご了承ください。

1. あり得る選択肢

私が知る限り、中国に住む日本人が仕事着を買うには、次の5つの方法があると思います。
  1. 外国系のメンズ服専門店(主に大型ショッピングモールにある。かなり高い)
  2. 中国ブランドのメンズ服専門店(まだ少ない?国産だが安くはない)
  3. 日本人経営の店でオーダーメイド
  4. 外国人向けローカル店でオーダーメイド
  5. (一時帰国中に日本で買う)
中国に駐在して間もない日本人には、3が比較的取っ付きやすいでしょう。オーダー自体初めてだと敷居が高く感じられるかもしれませんが、価格はスーツ一着1600元(≒26000円)*、シャツ1着300元(≒5000円)*程度からと、日本国内でオーダーするよりは安いです。

そして4が、身体に合ったサイズ、好みのデザインのスーツ・シャツを最も安価で購入できる方法。スーツ1着800元(≒13000円)*、シャツ1着130元(≒2200円)*、コート1着700元(≒11500円)*程度からと、日本人経営の店より更に安いです。ただし、細かいやり取りをしたい場合は、少なくとも簡単な英語が必要になります。

なお、5はちょっと特殊ですが、場合によっては仕方ないと思います。実は私も、(仕事着はともかく)私服は未だに一時帰国時に日本で買っています。

*価格の目安は、2018年11月現在、上海のものです。レートは1元=16.5円程度で計算。

2. どこで買える?(上海)

上海市内の場合、有名なのは以下の2ヶ所です。いずれも、数多くのテーラーメイドの店が軒を連ねています。

世紀亜太盛匯購物広場(駅を挟んで南北に広がる市場のうち、テーラーは南の科技館側に多い)
科技館
南外灘軽紡面料市場(通称「布市場」。建物にデッカく「布」という漢字あり)
南外滩
価格はほぼ同じで、どちらも英語がある程度通じるため、多くの外国人が訪れています(日本語は不可)。なお、中国の大都市(特に外国人が多い所)には、オーダースーツを作れるローカル店が少なからずあるようです。

この他、日本人が多い虹橋エリアにも「虹桥国际珍珠城(Hongqiao Int'l Pearl City)」というテーラーが多数入居しているモールがあります(延安西路×虹梅路)。中の雰囲気は、世紀亜太盛匯購物広場とほぼ同じ。
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3. オーダーの流れとコツ

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基本的には、
  1. 作りたい衣服の種類を伝える
  2. 生地(及び柄)を選ぶ
  3. 採寸する
  4. 支払
  5. 後日受取り(普通は一週間くらい。旅行者なら、送料実費で送ってくれる場合も)
という流れです。価格は生地で上下するため、交渉は2のタイミングになると思います。支払は場合によって、先払と後払(受取り時)が分かれていることも。なお、最低価格の目安は、「1. あり得る選択肢」に記したとおりです。

注文のコツは、なるべく具体的なデザインを伝えること。サイズ以外をお任せでオーダーすると、シルエットや襟の形といった点で、日中の美的感覚の違いに戸惑うことがあります。好みを伝えるには、雑誌の切抜きや写真を持っていくのが便利ですが、現物を持ち込んでコピー(複製)してもらうのが、一番お勧めです。店で採寸しつつ、「襟の形と長さはこのとおりにして」なんてリクエストも可能。私は日本のデザインが好みなので、見本を持ち込むことが多いです。
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余談1:ノーアイロン生地
要望すれば、シャツはノーアイロン生地で作ってくれます(値段は少し上がる)。生地を選ぶ時に、英語で「Non-iron fabric」又は中国語で「免烫抗皱(miǎn tàng kàng zhòu)」と伝えましょう。
中国語に自信がない方は、このブログをスクリーンショットして、店員に見せてください。

なお、中国製ノーアイロン生地の質は日本の普及品と同程度。
下の画像は、それぞれ(左)普通の生地(右)ノーアイロン、の洗濯→脱水後の様子です。うっかり普通の生地で作ると左のようになり、毎回アイロンが必須などころか、縮んですぐに着られなくなります。
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その他、シャツのボタン(及びボタンホール)の色は基本白か黒です。上のシャツのように白黒以外のボタンをリクエストすると、追加費用を徴収されることがあり、私の場合は20元でした。
余談2:ストレッチ生地
スーツやジャケットにストレッチ生地を使いたい場合は、「带弹力的(dài tán lì de)」と要望します。すると、大抵は生地サンプルに「elastic(弾性がある)」というシールが貼られたものが出てきます。ストレッチの度合いには差があるので、実際に引っ張る等して、自分で試してみましょう。
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4. 小物類は別の場所で

スーツにシャツと来れば、ネクタイやベルトも買いたくなるところですが、これらの小物は、別の場所で買うことをお勧めします。というのは、例えば「世紀亜太盛匯購物広場」では、ベルトやネクタイも数多く売っていますが、ほぼ例外なく偽ブランド品だからです。

買うべきでない理由は、偽物だからという倫理的な面もありますが、質が悪さが主なところ。特にネクタイは純シルクと違って滑りが悪く、なかなか綺麗な結び目を作れません。なお、私が以前に買ってしまったネクタイでは、中央部分に継接ぎ...なんてこともありました。
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また、ベルト、靴、財布等の革製品は、(オーダー靴店を除き)ほぼ全て合成皮革です。店の側は「本革だよ!」と言ってきますが、基本的に嘘八百なので、注意。


以上、中国(主に上海)でスーツやシャツを買う方法について、外国人向けローカル店でのオーダーをお勧めとして紹介しました。日本人経営の店でも日本国内のオーダースーツよりは十分安価ですが、ローカル店なら更にお得に、身体に合った一着を仕立てることができます。